被相続人の財産がわからないと相続人間で遺産の分割についての話し合いや相続放棄をするかどうかの判断をすることが出来ません。そのため、被相続人の財産が明確でない場合は遺産の調査をする必要があります。ところが、被相続人の財産を一括して管理している機関はないため、個別に調査をする必要があります。
ここでは、預貯金の財産の調査方法を確認してみましょう。

まずは自宅で調査

相続財産に預貯金が含まれている場合、ご自宅で以下を探してみてください。

  1. 預貯金通帳、預貯金証書
  2. キャッシュカード
  3. 金融機関からの郵送物

まずは被相続人の自宅内の被相続人名義の通帳、証書、キャッシュカードを確認しましょう。通帳があった場合は、その内容を確認します。株式の配当金や保険料の支払い等があれば、他の財産の調査の手掛かりにもなります。また、凍結前であれば記帳をすることができますので、記帳してその内容も確認しましょう。生活費の引き落としや年金の払込口座がない場合は、相続人の知らない預金口座がある可能性があります。金融機関から定期預金満期のお知らせ等の郵送物が届いていることもありますので、家の中をよく探してみましょう。
 また、クレジットカードなどで引落口座を指定している場合は、その利用明細等に引落口座の情報が記載されていることもあります。

被相続人の預金口座を管理する相続人は、被相続人名義の口座から現金を引き出した際は、使途の内容がわかるように領収書等を保管しておきましょう。
 なお、役所に被相続人の死亡届をだすと、自然と預金口座が凍結されると思われている方もみえますが、死亡届をだしても金融機関に通知されるわけではないので、金融機関が被相続人の死亡を知らない限りは凍結されません。被相続人名義のまま10年以上、公共料金を引き落としているなんてこともたまにあります。

次に窓口で調査

自宅で調査した資料や被相続人からの話をもとに以下の調査をします。

  1. 預金口座の照会
  2. 残高証明書の発行
  3. 取引履歴の発行

預貯金口座の情報は、被相続人の通帳やキャッシュカード、金融機関からの郵便物等ををもとに調査を進めるのが一般的ですが、中には、通帳やキャッシュカードが見当たらないけど、○○銀行には口座があるようなことを言っていた・・・という場合もあります。また、生前に被相続人とあまり交流がなく、他の相続人から遺産の情報の開示がない場合などの事情で、どこの銀行に口座があるのかわからないこともあります。そのときは、予想される各金融機関の窓口で確認をするほかありません。それが預金口座の照会です。これは他の相続人の同意がなくても、相続人一人で出来ますが、非常に地道な作業ですし、思ったような効果が得られないこともあります。
 被相続人の通帳やキャッシュカード、預金口座の照会の結果等で、口座の存在が判明した後は、残高証明書を取得して預金額を調査します。同様に、取引履歴の発行を依頼し、預金の入出金の内容を確認します。この入出金の履歴から他の財産の存在や同居の相続人による使い込み等が判明することもあります。なお、被相続人の全ての預金口座の情報を事前に知っており、相続人間で特に争いがない場合は、金融機関での調査をしなくても問題ありません。
 なお、これらの調査を行うには、「相続人であることのわかる戸籍の提示」「金融機関の所定書類への署名・実印押印」「印鑑証明書の提示」「免許証等の本人確認情報の提示」等が必要になるのが一般的です。弊所が代行することも可能です。

まずはお気軽にご相談ください

当事務所では預貯金の財産調査のサポートを行っています。
手続きが複雑でわからない方、平日お仕事で忙しい方は、お気軽にお問い合わせください。

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