相続手続きに必要な戸籍は、遺言書があるかないかで異なります。
遺言書がない場合
遺言書がない場合は相続人全員を証明できる範囲の戸籍が必要です。
具体的には相続人が誰かによって以下の通りになります。
戸籍の焼失や保存期間の満了などにより、戸籍が出生まで遡ることができない場合もあります。そのような場合は、15歳ぐらいまで遡ることができれば、手続きは問題なく進められることが多いです。生殖能力の関係で、15歳未満で子どもがいるということは考えにくいためです。なお、戸籍が発行されない旨の証明書は取得しておいた方がよいでしょう。
戸籍の取得の具体的な方法についてはこちら
また、平成29年5月29日(月)から,全国の登記所(法務局)において,各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」という制度が始まりました。
法定相続情報証明制度についてはこちら
遺言書がある場合
遺言書がある場合は、遺言書記載の内容によって必要な戸籍が異なります。
よく見かける「相続人Aに相続させる」というような内容を例にすると以下になります。
- 被相続人が死亡した事実がわかる戸籍謄本
- Aが相続人であることを明らかにできる戸籍謄・抄本
遺言書が自筆証書遺言(被相続人の自署で作成された遺言)の場合、相続手続きの前に、家庭裁判所での「遺言の検認」という手続きが必要です。
「遺言の検認」の手続きには、法定相続人が誰かによって、上に記載した「遺言書がない場合」と同じ戸籍が必要になります。
これは、家庭裁判所から相続人全員へ「被相続人が遺言書を作成していたので、●月●日に裁判所で確認の手続きします」といった趣旨の連絡をするためです。
検認手続についてはこちら