再転相続とは、相続人が熟慮期間中(相続の開始があったことを知った時から3か月以内)に、相続の承認または放棄を行わないまま死亡した場合に、その死亡した者の相続人が、前相続人の承認・放棄する権利を承継取得することです。
再転相続の問題点
再転相続の際に問題となるのが、下の図で、祖父と父の相続人である母と子が、「祖父の相続」と「父の相続」について、どうような相続の方法が選択できるのかという点です。
考えられるケースと結論をまとめると以下の通りになります。
<母と子の相続の方法について>
事例① | 事例② | 事例③ | 事例④ | |
---|---|---|---|---|
祖父の相続 |
相続
|
相続
|
放棄
|
放棄
|
父の相続 |
相続
|
放棄
|
相続
|
放棄
|
手続ができるか |
できる
|
できない
|
できる
|
できる
|
つまり、母と子は父の相続を放棄した場合は、「父の有していた祖父の相続の方法の選択権」を含めて放棄をすることになるので、祖父の相続をすることはできません。
祖父には多くの相続財産があり、父には借金しかないというような場合、祖父の相続財産のみ相続し、父の借金は相続放棄をするという選択は出来ません。(事例②)
逆に、祖父には借金しかなく、父には多くの相続財産があるという場合は、祖父の相続放棄をし、父の相続財産を相続することは可能です。(事例③)